〜燃料電池自動車〜

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燃料電池自動車ってどんな車なんだろう?

HONDA燃料電池自動車 FCXクラリティ

図:HONDA燃料電池車 FCXクラリティ

「燃料電池って?」「燃料電池自動車ってどんなクルマなの?」

燃料電池とよく聞きます。でも、いったいどんな仕組みなの?それを自動車に搭載するって?

そんな燃料電池や燃料電池自動車について簡単に説明しています。

※2008年現在の情報を基に掲載しております。

ここから「燃料電池自動車」について説明しています。

燃料電池って?

燃料電池(fuel cell)は電気化学反応によって電力を取り出す発電装置(電池)のことで、水素などの燃料と酸素などの酸化剤を供給し続けることで継続的に電力を取り出すことができる化学電池の事です。

これは「電気分解すると水素酸素ができる」という化学反応を逆利用したもので「水素酸素を化学反応させて電気をつくる」ということです。

燃料電池の原理図

参考:松下電器「isM」家庭用燃料電池/燃料電池って何でんねん?

この化学反応を見て解ることは、「酸素は地球上にたくさん有るので、あとは水素だけ供給してあげれば半永久的に電気をつくり続けることができる」ということです。

このことから燃料電池は「電池」という名前こそついていますが上記にもあるように、自ら発電するので「発電装置」と言っても良いでしょう。

では燃料となる「水素」はどのように作り出すのでしょう?

水素自体は残念ながら自然界には存在しません。なので何か他の物質から作り出す必要があります。

「ん?作り出す?」「上の図のように取り出せばいいのでは?」

たしかに上図の「水の電気分解」で水素を取り出すことは出来ます。しかしそれには「電気」が必要になってしまい、他の物質から水素を作り出す効率から考えると省エネルギーにはならないのです。単純に「水」から水素を取り出せれば一番良いのですが残念ながら現在そのような技術はありません。なので「水素」は他の物質から作り出す必要があります。これを「改質」といいます。

改質の燃料には「都市ガス」や「LPガス」、「メタノール」や「ガソリン」なども考えられています。燃料電池自動車と聞いて「CO2を全く出さない車」と連想される方も多くいらっしゃると思いますが実際そうではありません。

「車」自体はCO2は出ませんが、燃料を改質する時に(都市ガスのメタンから水素を取り出す時など)CO2を発生させてしまいます。しかし内燃自動車(普通の自動車)のように常に燃料を燃焼させて走行する車の排出するCO2から比べると、かなりの「CO2削減」が実現できます。

また「水素」と聞いて一つ心配になるのが「安全性」に関してでしょう。

たしかに水素は空気と混ざると着火しやすい性質を持っています。しかし取り扱い方さえ誤らなければ決して危険な物質ではないのです。水素への偏見が強い日本ですが、家庭用に普及している「都市ガス」は今でこそ天然ガスが主体ですが以前は成分の半分は水素でした。それでも爆発した事故など一回も無いのですから安全性に関しては心配することはないでしょう。

実際の車にはどのように搭載されるの?

では、実際に燃料電池自動車に搭載されている燃料電池はどういった構造になっているのでしょう?

燃料電池にはいくつか種類があります。これは電解質の種類によって異なってきますが(上図でいう電解質は「水+水酸化ナトリウム」です。)現時点で自動車に搭載される燃料電池の電解質は「高分子電解質膜(固体高分子膜)」というものを使用しています。これを利用した燃料電池を「固体高分子形燃料電池 (PEFC)」といいます。

固体高分子形燃料電池 (PEFC)概略図

これは電解質に「固体高分子膜」という薄くて柔らかいプラスティック製の膜を使用している燃料電池のことをいいます。そして「固体高分子膜」は2枚のカーボン製の電極に挟まれていて、このセットのことを「セル」と言います。

このセルに、片側の電極(陰極=燃料極)には水素を入れ、もう片側の電極(陽極=空気極)には空気を入れます。燃料極の水素は電子と水素イオンに分かれて、水素イオンは固体高分子膜を通って空気極へ進み、空気中の酸素と反応して水になります。この時、熱も同時に発生します。

一方、水素から分かれた電子は燃料極から空気極へ流れて「電気」が発生します。この「セル単体」では約0.7ボルト程度の電気にしかなりませんが、セルをいくつも重ねることで大きな電力をつくることができます。そしてこのセルをいくつも重ね合わせたものを「スタック」といいます。

では実際の燃料電池自動車にどのように配置されるのかは、下図を参照してください。※下図にある「FCスタック」はホンダ独自に開発した燃料電池です。上図にある「スタック」と基本的な仕組みは同じですが、詳細な構造には差異がありますのでご了承ください。

ホンダ FCXクラリティ 配置図

「発進・加速」の時は「スタック+リチウムイオンバッテリー」の大きな電力が駆動モーターへ送られ、力強い加速を実現します。

「緩加速・クルーズ」の時は「スタックのみ」の電力で低燃費な走行を実現します。

また「減速」した時には「駆動モーターが発電機の役割」をし、減速のエネルギーを電気に変換(回生ブレーキ)して、リチウムイオンバッテリーに蓄電され、またその時にスタックからの電気も蓄えます。

「停止」した時には「スタックは発電を中止」し、エアコンなどに必要な電気がリチウムイオンバッテリーから送られます。

このようにとても効率的な走行を実現する燃料電池自動車ですが、一般市場に普及するまでには「価格」「インフラの整備」等に課題があります。

「価格」に関してはリチウムイオンバッテリーが高額な為、販売価格が高額なものになってしまいますが、いずれ普及台数が増えれば価格も抑えられますし、バッテリーの安価な生産体制が整えば、より一層低価格な燃料自動車も登場することでしょう。購入を考えている方の中には今から「クラリティ貯金」として購入代金を蓄えている方もいらっしゃるそうです。「インフラの整備」には「水素スタンド」の早期に広域的な普及が望まれます。ガソリンスタンドの普及に関して日本はとても発達していますが、水素スタンドもそれと同じような普及が望まれることでしょう。

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